長野市の北に上水内郡信濃町(小林一茶の里)がありますが、その西側に富濃
(とみのう)という小さな集落があります。その集落を見下ろす高台の鐘楼に、
大きな岩が下がっており事情が分からないと奇妙な感じを受けます。本来の鐘は
戦時中に武器の原料として国に供出させられたのだそうで、8月の終戦記念日に
は今年も照林山稱名寺(しょうめいじ)の「岩の鐘」として紹介されました。
住民からは「本物の鐘を下げては」と言われる事もあったが、鐘を持っていかれた
悔しさや非戦を誓う思いから、60余年経過した今も引き継がれてそのままである
のだそうです。