戻り梅雨と云うか、時折小雨の降る当地横浜です。正月に赤い実のついた「センリョウ」
「マンリョウ」「アリドオシ」を一つの鉢に植えて飾り「千両、万両、蟻通し」と縁起を
担ぐ地方があると聞いていますが、今回の今月の花は木陰で咲く小低木「マンリョウ、
センリョウ、カラタチバナ(百両とも言う)、ヤブコウジ(十両とも言う)」を紹介します。
マンリョウ、カラタチバナ、ヤブコウジは同じヤブコウジ科で5裂の花弁の小さな白い花が
うつぶせにつきます。一方、センリョウはセンリョウ科で花には花弁が無く、子房の上に
黄色の雄しべを1個つけて、上向きに咲く変った花です。
皆さんも多分ご存じと思いますが、いずれの花も秋から冬にかけて真っ赤に実り、ヒヨドリ
メジロ、ムクドリ等の恰好の餌となります。植物にとっては目立つことによって、小鳥たち
に食べられ、消化しない果実の種を糞と一緒にばらまいてもらい、子孫を残すという魂胆です。
果実が赤く実るとセンリョウ、ヤブコウジ、カラタチバナの実が一斉に無くなり、マンリョウ
の実はいつまでも残るので、多分、小鳥たちにとってマンリョウは美味しくないのだと思って
いました。ところが、良く観察してみると、マンリョウの花期は非常に長く一カ月以上に及ぶ
ぶがわかりました。と云うことはマンリョウの実は一斉に熟さないと云う事になります。
小鳥たちに熟した実から徐々に食べられるので、したがって、子孫を残すチャンスがそれだけ
多くなると云う、マンリョウのしたたかな知恵であろうと、感心した次第です。
我が庭にはマンリョウがやたらに生えています。誠に縁起が良いのですが、年金でささやかに
暮らしている身では「万両」は高嶺の花です。
撮 影・解 説 2014年7月20日
宮 本 聰
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-No1.カラタチバナの花
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-No2.センリョウの花
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-No3.マンリョウの花
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-No4.ヤブコウジの花
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