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宮本 聰さんの今月の花とトッピクス
8 月 号
20日の雨を境にようやく涼しくなり、秋の気配を感ずる時節になりました。
今月の花として、「サギソウ」「ヒオウギ」「キキョウ」をご紹介します。
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【サギソウ(鷺草):ラン科多年草】
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名前の由来は添付の写真を見てのごとく、シラサギが飛んでいる姿に似ることであります。
秋田県以南の日当たりのよい湿地に自生していたが、今では自然界にほとんど見られなく
なりました。添付写真の「サギソウ」は十数年前、故森倫平さんから頂いたもので、葉の
外縁部が金色のふくりんになっていて、「金星」という銘柄です。
森さんからは2種いただき、今一つは無名だったので、「モリ」と勝手に名付け栽培を楽
しんでいます。ただ、ここ数年、紹介できるような花が咲きませんでした。原因は、近く
のホームセンターで買った水苔が粗悪だったことにあったようです。今年は別の園芸店で
仕入れた水苔を使ってみたところ、見事に花が咲いてくれました。
この「サギソウ」のルーツは多分、八洲化学工業の元社長の故山田収二さんだと思います。
山田さんは会社を退任後と思いますが、サギソウの栽培者、研究者として全国新聞に何回
も掲載されました。培養土、日照、湿度、病害と薬剤の効果などの研究に、毎年5千球を
植えておられるということでした。
80歳を迎えられた記念に「翔くる花 サギソウ」を出版されました。写真の方は有名な
写真家の緑川洋一氏に師事され、この道(写真)も究められました。
そして1998年世界各国を旅行撮影した「世界幻視行」という素晴らしい写真集を出版され
ました。山田さんの奥様(知恵さま)は有名な俳人中村汀女の門下生で、「世界幻紀行」
の各所に創作俳句が挿入されておりました。
奥様は山田収二さんより多少早く他界されたのですが、山田収二さんは奥様の葬儀に間に
合わせて、句集を出版されました。
その中から、「サギソウ」に関する句を一部紹介します。
サギ草や夫との暮らし五十年
鷺草の百余と咲きて雨つづく
鷺草に出入りの繁き裏戸かな
奥様は白い花が好きだとのことだったので、それが夫の山田収二さんを「サギソウ」に
導かれたかもしれませんね。草花の紹介が故山田収二さんの回顧になってしまいました。
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【ヒオウギ(檜扇) アヤメ科 多年草】
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アヤメに似た葉の基部が扇形に並んでいて、公家が儀式のときに持つ“檜扇”に似る事から
この名が付けられたと言うことです。炎天下が良く似合う花です。
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【キキョウ(桔梗) キキョウ科 多年草】
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秋の七草のひとつで、日本全国の山地や丘陵地に自生していたようですが、今では野生の
花を見かけることはなくなりました。
万葉の時代には「あさがほ」と言って、万葉集には5首みられるということです。
キキョウの根は胃腸薬、中耳炎、鎮咳などの漢方薬としても利用されたようです。
酷暑の夏に涼を感じさせる涼やかな美しい紫色の花です。
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