植物にとって気の毒な名前が付けられている2種、[ヘクソカズラ]と[ワルナスビ]
をとり上げます。写真はヘクソカズラの花、ワルナスビの花と実です。.

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【ヘクソカズラ(屁糞蔓)の花 別名:サオトメバナ、ヤイトバナ):アカネ科、多年生】
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全草に悪臭があることから、この不名誉な名前が付けられました。別名とは大違い
ですね。万葉集にクソカズラという名でよまれた1首があるそうなので、奈良時代に
はすでにこの名の元がつけられていたようです。それに輪をかけて「へ」までつけら
れたのは江戸時代のようです。
ところで、悪臭の元凶は植物の細胞に含まれる「ペトロシド」という硫黄を含む化学
物質が分解してできた揮発性の「メルカプタン」の匂いなのです。
この化学物質がかかわるアブラムシとその天敵のテントウムシとの面白い事象がある
のですが、ここでは省略します。(もしご希望なら、メールします)
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【ワルナスビ(悪茄子)の花 :ナス科、多年生】
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北アメリカ原産で明治末期に侵入が確認されました。道端、空き地などに生育している
のをよく見かけます。花は形、色とも食用のナスに似ていますが、茎や葉の中央脈に触
ると痛いトゲがあり、おまけに、実にはアルカロイド系のソラニンという毒性物質を含
むので、真からのワルですね。
特に牧草地では防除困難な強害雑草で、厄介な雑草となっています。
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【ワルナスの実】
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