日本では約270種の蝶が生息していますが、寒い冬を成虫で越す蝶も数多くいます。
東京近辺で見られるのは、タテハチョウ科のアカタテハ、キタテハ、ルリタテハ、
ヒメアカタテハ、ヒオドシチョウ、テングチョウ、クロコノマチョウ。シロチョウ科
のキタキチョウ。シジミチョウ科のウラギンシジミ、ムラサキシジミ、ムラサキツバメ
などです。
これらの多くは崖の岩陰、落ち葉の下、樹木のほこら、木の根のすき間、木の葉の裏、
家の軒や庇などあまり人や動物たちが近寄らない場所で、寒さに耐えて冬を越してい
ます。多くは1匹ずつの単独ですが、ムラサキツバメのように集団で越冬する種もあり、
常緑広葉樹やアオキの葉かげや葉のすき間などに、数頭から多い時には数十頭が互いに
暖をとり合うようにして集っています。
キタキチョウは冬でも暖かい日などに飛んでいるのを見かけます。俳句で秋や冬の蝶と
して詠まれているのは、多くはキタキチョウではないでしょうか。
浅春、なんとなく冬も峠を越したなと思う頃、それまで姿を見せなかった蝶が、少し
気温が上がると飛び出してきます。
陽当たりの良い草地や石垣などにキタテハ、アカタテハ、テングチョウなどが、翅を
広げて日光浴しており春近を感じさせます。
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【ムラサキツバメの集団越冬】
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【越冬後のキタテハ】
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【越冬後のテングチョウ】
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【越冬前のルリタテハ】
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